お役立ちコラム

ドクターズが手掛ける協業の事例とは

　『デジタルヘルスが創出する新たな医療ビジネス』において、非医関連企業と位置づけられてきた企業でも医療業界に参入して、活躍の場を広げていることを取り上げました。ドクターズは、様々な非医療関連企業と協業し、新たなサービスの開発に関わっていますが、今回はその中から２件ご紹介します。

注目のSASに特化したフルオンライン診療サービス

1つ目にご紹介するのは、ＮＴＴ西日本グループのＮＴＴビジネスソリューションズ社と業務提携し、睡眠時無呼吸症候群（SAS）に特化した日本初となるフルオンライン診療サービス「SASオンラインクリニック」を開発した事例です。

SAS患者は、国内で最大900万人程度存在すると推定されていますが、SASへの理解不足や通院負担などから、治療中の患者数は約40万人に留まっていると言われており、検査の完了率およびSAS有病判定者の治療移行率とアドヒアランスの向上が課題となっています。

また、就寝中に何度も呼吸が止まるSAS患者では、日中に強い眠気などの症状を伴うこともあり、交通事故のリスクが健常者と比べ約3倍に上るとされることから、特に運輸事業者においては重症化する前の対処が重要だと考えられます。国土交通省は、3年ごとを目安に医師判定を伴うSASスクリーニング検査を推奨しています。企業側も社会的責任と健康経営の観点から、各従業員に対して検査を推進するとともに、検査・治療の経過を把握してフォローすることが求められる一方で、管理業務の負担の増加を理由に検査が浸透しておらず、治療の状況についても把握しきれていない実情があります。

これらの社会課題を解決するため、運輸関連企業２社へ本サービスの試験提供を行って、検査から治療までの一連のプロセスの有効性が確認できたため、サービスの本格稼働を始めました。

本サービスは、ＮＴＴビジネスソリューションズが有する運輸業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）支援実績や営業基盤と、ドクターズの医療プラットフォームサービス「Doctors Station® OEM」を基盤とした医療プラットフォームの知見、医療業界へのコネクションを掛け合わせて共同開発を行ったもので、SAS対策を推進する企業を対象として2024年3月からＮＴＴビジネスソリューションズが提供しています。

本サービスでは、診療（医療行為）はプラットフォームのユーザーである医療機関、提携先の医師が行います。サービスは原則フルオンラインでの提供となりますが、主治医の判断に基づき、必要に応じて対面診療でも行う可能性があります。

温泉×最先端の医療DXでQOL向上に寄与

もう１つの事例は、ドクターズとスモールラグジュアリーホテルや京阪神初の温泉利用型健康増進施設などを経営・運営するラスイート社が進めているプロジェクトで、2025年春に開業するうめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」の施設の１つとして新たに開業する、温浴・運動・食事・メディテーション・美容を兼ね備えた健康増進施設「うめきた温泉 蓮 Wellbeing Park」の開発です。

「うめきた温泉 蓮 Wellbeing Park」は、温浴・運動・食事などが楽しめる健康増進施設に、最先端の医療DXを掛け合わせることが最大の特徴です。ドクターズグループが有する知見を基に、施設の利用などによる健康状態の変化に気づきを与えるアプリでの健康管理や、利用者の健康状態・関心などに応じて、医学的エビデンスを踏まえた施設での過ごし方のレコメンドなど、これまでにないウェルネス体験を提供します。

 当サービスで提供する医療・ヘルスケアアプリの開発においても、ドクターズが提供する医療セキュリティやコンプライアンスに準拠したクラウドシステムによる「医療・ヘルスケアサービス」を簡単、セキュア、スピーディに構築するためのオンライン医療プラットフォーム「Doctors Station®OEM」をベースとして様々なカスタマイズを加えることで、安心安全で使いやすいものを開発します。それにより、施設内での利用時に限らず、日常的に医療相談やオンライン診療といった医療ケアを提供することで、継続的なQOL向上を目指しています。

このように、ドクターズでは、オンライン診療導入やアプリの開発をただ支援するだけでなく、「医療DX」「デジタルヘルス」を用いて様々な角度からよりよい社会の実現を目指します。現在は医療と関係がないビジネスを展開している企業においても、ドクターズと協業することで新たに医療関係のサービスを生み出せる可能性があります。ご興味があるようでしたら、是非一度お問い合わせください。