
2025.02.20
医療の最先端を体感!医療DX施策のリアルの現場対応と今後の課題が見えてくる
医療業界の未来を創造する、展示会「メディカルジャパン」で医療DX・デジタルヘルスケアの最新情報を体験・収集 今回は医療・福祉分野にかかわる方にお勧めの展示会をご紹介させていただきます。最新の医療機器から介護用品、病院設備 […]
COLUMN
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2024.11.11
目次
わが国は、世界に先駆けて超高齢社会に直面しています。そこで、ただ長生きするのではなく、いかに健康寿命を延伸できるか、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとして将来世代が安心して暮らせていけるようにしていくか、といった課題を解決することが今後の継続的な発展のために不可欠です。その手段として、医療デジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタルヘルスの活用が期待されています。
医療DXは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤を通じて保健・医療、介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図ることで国民の疾病の発症予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることを指します。その実現に向けて、政府はDX通じたサービスの効率化や質の向上により、①国民の更なる健康増進、 ②切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供、③医療機関等の業務効率化、④システム人材等の有効活用、 ⑤医療情報の二次利用の環境整備―の5つを実現することを目指しています。
医療DXが求められる1つの要因として、人材不足が挙げられます。少子高齢化が進むわが国では、治療を必要とする患者さんと、医師・看護師など医療従事者との需給のバランスが崩壊しつつあります。団塊の世代が後期高齢者となって国民の5人に1人が75歳以上となる2025年問題を目前に控え、社会全体が人手不足となることが予想される中で、とりわけ医療業界への影響が懸念されています。そこで、急激に増加する医療・介護ニーズに対し医療従事者の人材不足解消は急務となっています。
医療DXの浸透はまだ道半ばですが、徐々に一般の患者さんでも経験する機会が増えているかもしれません。代表例としては、オンライン予約と問診、オンライン診療、ペーパーレス化、ビッグデータの活用
などがあります。
診察の受付や問診表の記載といった受診手続きをデジタル化することで、医療機関はスケジュール管理がしやすくなり、診療時間の無駄を減らすことができます。また、患者さんもあらかじめ予約しておくことで、従来と比べて待ち時間を短縮できるなど、医療機関と患者さんの双方にとってメリットがあります。
オンライン診療では、ビデオ通話や電子メール、チャットなどのメッセージアプリを通じて、オンライン上で医師とやりとりしながら診断や治療を受けることができます。患者さんの利便性が高まるとともに、医療機関の効率化が期待でき、遠隔地からの受診も可能になるため、地域間の医療格差の是正にもつながります。
医療現場では、カルテや問診表など、今なお紙に頼っている業務がたくさんあります。これらの紙で行っている業務をデジタル化すると、患者さんの情報を正確かつ迅速に共有できるほか、文書管理に関連するコストやスペースを大幅に低減できます。
医療機関が保有する診療記録、検査結果、処方情報などの膨大な医療情報は、ビッグデータとして分析して臨床に役立てることができます。そうすることで、疾患の早期発見や新薬の開発、健康管理のサポート、治療方針の個別化などが実現できます。
一方、デジタルヘルスは、「病気の管理や健康増進を意味するヘルスケアの分野においてデジタル技術を活用すること」を意味し、①デジタルヘルス(狭義):ライフスタイルや健康に関連する非医療機器(消費者向けアプリやスマートウォッチなど)、②デジタルメディスン:健康に役立てるための測定や介入を行うソフトウェアやハードウェアの製品(診断、バイオマーカー)、③デジタル治療:医学的障害や病気の予防、管理するために治療的な介入を提供するもの(病気の予防や診断、治療を支援するソフトウェアなど)に分類できます。
出典:日本製薬工業会「デジタルヘルスの現状と課題 -製薬企業が取り組むにあたって-
これらは、人工知能(AI)やIoT、ビッグデータ解析などを取り入れたデジタル技術を活用しており、医療機関においてはヘルスケアの効果を高めることを目的とし、代表例としては診療記録を支援するシステムなどがあります。また、個人においては個々が健康管理のために使用することを目的とし、心拍数を管理するスマートウォッチなどが挙げられます。これらのデジタルヘルスが注目される背景には、医療DXが進む背景と同様の状況があります。
デジタルヘルスを導入することで利便性が高まりますが、課題が多いのも事実です。その1つが「データの信頼性」です。デジタルヘルスが普及するにつれて、多くの医療データが収集可能になります。しかし、消費者が利用するデバイスには品質にばらつきがあり、また個々の基礎データが必ずしも入力されているとはいえないため、集まった情報が正確でない可能性があります。
また、このようなデータを用いると、データの解析結果に偏りが出てしまい、正しい解釈ができないことも考えられるため、今後これらのデータを医療で活用するには、データの信用性を高める必要があります。
また、「取得するデータの標準化」の問題もあります。異なるデバイスやアプリなどから収集したデータは、フォーマットが統一されていないため、データの統合が難しい状況です。同じ疾患名でも医療機関や個人によって表現や表記が異なるケースもあり、データを標準化するための基準を決める必要があり、大きな課題となっています。
このように、医療DXやデジタルヘルスはさまざまな課題が多いのも事実です。しかし、医療費削減や地域の医療格差など、日本が抱える問題の解決も期待され、医療データの収集による診断サポートで医療現場の業務負担軽減につながると考えられることから、より良い医療の実現するためには必要不可欠な手段だといえるでしょう。
2025.02.20
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2025.01.17
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2024.11.12
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